プロジェクト紹介

PROJECTかんぽ生命の保険契約者様向け
マイページ導入プロジェクト

かんぽSOL初のWebサービス開発

かんぽ生命のお客さまが郵便局の窓口に行かなくても、インターネット上で契約内容の確認や各種手続きができる、「マイページ」の導入プロジェクトが2018年から動き始めました。

今回は、そのマイページ導入プロジェクトで中心的役割を果たすNEXTシステム開発本部の4名に、プロジェクトでの役割や苦労、成果などを聞きました。

プロジェクトメンバー

NEXTシステム開発本部 2018年中途入社

NEXTシステム開発本部 2014年中途入社

NEXTシステム開発本部 2018年中途入社

NEXTシステム開発本部 2020年新卒入社

適材適所の人材配置と徹底した進捗管理で、プロジェクトを遅延なく推進

お客さまに表示する画面を構築する、フロント開発チームのリーダーとしてプロジェクトに参加しています。各メンバーのスキルを把握した上で適材適所に配置することや、チームメンバーの作業進捗をこまめに確認し、必要があれば調整することを心がけながら、日々の業務に臨んでいます。

このマイページ導入は当社としても大規模な事業であり、私はこのプロジェクトに参加するため、2018年中途入社しました。しかし、いざ始まってみると、当社は郵便局社員向けシステムの豊富な構築実績はあるものの、カスタマー向けのシステム開発は初めて。さらに、このプロジェクトはアジャイル開発を取り入れているのですが、メンバーはウォーターフォール開発しか経験がなく、スケジュールを計画していた段階では、期限までにリリースできるのか不安になりました。

そこで私がまず実施したのは、各メンバーが持つスキルの把握です。当時はまだ誰が、何をどの程度できるのか確認できていなかったため、時間を割いてメンバー全員のスキルを把握しました。その結果、フロントエンドとバックエンドをつなぐ部分のスキルとリソースが、手薄であることが分かったのです。そこで、開発遅延の原因になり得る作業については、私も開発者となって進めました。

また、各メンバーの進捗については毎日の朝会で確認しつつ、疑問があれば朝会の場で解決するようにして、進捗の遅れが出ないよう気を配りながら進めました。そのおかげで、トラブルなくプロジェクトを進行でき、マイページは2019年4月に遅延なくリリースできたのです。

現在、マイページの利用者は継続的に増加中で、私たちもさらなる機能拡充のため開発を続けています。このマイページは、かんぽ生命がお客さまにより良い体験を提供するDX戦略の基盤となる存在です。今後、当社内の別部署と連携した施策も検討していて、そうした新たな付加価値を創造できる施策を、システム面でリードできるような人材を目指していきます。

勉強会などでアジャイル開発・Web開発の知見を深め、品質を向上

私たちはかんぽ生命に出向する形でこのプロジェクトに参画しています。中でも私は、フロントエンドエンジニアとして、実際にお客さまが見たり操作したりする画面の設計・開発をおこなっています。通常は、かんぽ生命の要望を形にすることが求められますが、システムをより良いものにするために、こちらから提案することもあります。

本プロジェクトは、当社にとって初めてのカスタマー向けシステムの構築です。しかも、スタート当初は、アジャイル開発やWebサービス開発の経験者・有識者がいない状態で進行していたため、作業や成果物の品質が高くありませんでした。そこで、チーム内で自分たちに何が足りないのかを明らかにした上で、自分たちに足りないスキルを持つメンバーをアサインしたり、外部パートナー会社様に依頼したりして、リソース面での立て直しをはかりました。

ほかにも、外部の有識者を招いて座学での勉強会をおこなったり、時間を見つけて自分たちで学習したり。さらに、メンバー間の意識の共有、社内意志決定者への確認を繰り返すことで、品質向上に努めました。こうした努力の甲斐あって無事にマイページを公開できたのです。現在もマイページのアップデートは継続中で、かんぽ生命のDX戦略の一端を担えていることを、嬉しく思っています。

当社にはこれまでWeb開発の実績がありませんでしたが、今回マイページというデジタルチャネルの導入により、「Web開発の面でも、かんぽ生命をサポートが可能」とアピールできるようになりました。現状、かんぽ生命の開発案件には複数のパートナー会社様が携わっていますが、開発力を高めることで当社の担当領域拡大に貢献できたと考えています。

また、私自身は本プロジェクトを通じて、システム開発だけではなく事業会社のIT部門の立場で、お客さま目線を意識した企画・提案業務をおこなってきました。今後も、この経験を活かして、DX施策で新たな価値を提供し続けられる人材になっていきたいと思います。

共通化などでコーディングの負担を軽減し、開発の遅延を防ぐ

画面で受けたリクエストをバックエンドに伝え、データを更新する。あるいは、サーバーでデータを取得して加工して、画面に表示する。こうしたフロントエンドとバックエンドのつなぎの部分、主にバックエンドプログラムの設計・開発をおこなっています。

私は中途入社で、プロジェクトの途中から参画したのですが、その時点では実装された成果物がほぼゼロの状態でした。初回リリースまでの期間も残されていなかったため、非常に焦ったことを覚えています。フロントエンドの開発が終わっても、バックエンドの開発を終えて結合まで済ませないと、ほとんどのテストが実施できません。私の担当業務がボトルネックになることを防ぐため、できるだけ先行して開発することを徹底しました。

まず、フロントエンドエンジニア1人ひとりに、画面で表示するためにどのようなデータが欲しいのかをヒアリングして回りました。そして、同じ処理のコードを共通化するなど、できるだけコーディングの負担を軽減する形で実装しました。おかげで先行した開発ができるようになり、2019年4月に遅延なくマイページをリリースできました。

いったん2019年4月で初回リリースしたあとも、マイページのアップデートは継続しています。お客さまにデジタルサービスという新たな選択肢を提供するという目標は達成しましたが、満足いただけるサービスにするためには、さらなる機能追加が必要です。当社初のカスタマー向けシステム開発で養った、お客様の目線で物事を考える知見を活かして、より良い機能を構築していきたいです。

また、私個人としては、かんぽ生命に対する知識がまだ十分ではありません。お客さまのことを深く知り、業務知識を得ることが満足度の高いシステム構築に必要だと感じています。また、プロジェクトの円滑な推進には、フレキシブルに対応できるエンジニアが必要です。私はフロントエンド・バックエンドどちらの構築でも任せてもらえる人材になるため、面倒な業務にも取り組み、経験を積み重ねてレベルアップしていきたいと思います。

失敗できないからこそ、自習・質問・見直しを欠かさず進める

当社では半年に1回、大きなシステム改修を実施します。それに合わせてかんぽ生命のお客さまができることを増やしたり、機能をさらに便利にしたり。マイページのアップデートもこの機会におこなわれることが多く、そこでのコーティングやほかのエンジニアが作ったプログラムのテストが私の主な業務です。

新卒向けの研修で配属希望を聞かれ、未経験ではありましたが開発希望であることを伝えたところ、当社にとっての一大プロジェクトであるマイページの開発チームに参加することになりました。まさか会社の顔として出向することになるとは思わず、驚きましたしプレッシャーも感じました。しかし、先輩が優しく教えてくれますし、過去の成果物や最新の事例等を見て勉強することで、少しでも役に立てるように頑張っています。

また、プログラムをコピー&ペーストしてなんとなく作業を進めてしまったことが原因で、失敗につながった経験があります。以降はそれを教訓に、わからないことをわからないまま進めるのではなく、誰かに質問したり自分で調べたりして理解してから進めることを心がけています。さらに、自分が作業した範囲は誰かに見てもらう前に、自分で見直すことも習慣づけています。

かんぽ生命のマイページは、継続的に新たな機能を追加していて、今では指定代理人請求人の指定、登録家族の登録、契約者貸付、入院の請求など、さまざまな手続きがオンライン上で完了します。現時点(2022年1月時点)で40万人以上の方に登録していただいていますが、さらに多くのお客さまに使っていただくために、より一層の機能充実をはかっていく予定です。私自身もそれに貢献できるよう開発技術を高めていく必要があると考えています。

幸いにもマイページの開発チームは、たくさんのコーディングが必要な部署です。上司も「豊富な実務経験のおかげで、同期の中で上位の開発スキルがある」と太鼓判を押してくれています。これからも知識あるいは術を身に付けて、詰まることなくスピーディーにコーディングできるようになりたいと思います。